ジョン・ロックの名言30選|経験・自由・権利・寛容を考える言葉

21. 絶対的な権力は、市民社会の目的と両立しない

Absolute monarchy is indeed inconsistent with civil society, and so can be no form of civil government at all.

絶対君主制は市民社会と両立せず、市民政府の形にはなり得ません。

出典:ジョン・ロック『統治二論』第二論第90節(日本語訳は筆者訳)

争いを公平に裁く共通の権威が必要なのに、支配者自身の行為だけを裁けないなら、市民は再び不安定な自然状態へ置かれます。

チェックを嫌う権限は、誤りを大きくします。仕事でも、重要な判断ほどレビューや記録を残す方が、自分と周囲の双方を守ります。

22. 政治権力は、人々のために預けられた信託である

Political power is given up into the hands of society, with this express or tacit trust, that it shall be employed for their good, and the preservation of their property.

政治権力は、人々の利益と権利の保全に用いられるという明示または黙示の信託のもと、社会へ委ねられます。

出典:ジョン・ロック『統治二論』第二論第171節(日本語訳は筆者訳)

権力は所有物ではなく、特定の目的のために預けられたものだという考えです。目的を外れれば、正当性も失われます。

誰かから任された仕事では、自由裁量の前に期待される成果を一文で確認してください。任されることは、好きにしてよいことではなく、信頼に応える責任です。

23. 権利を越えた権力の行使が、暴政になる

Tyranny is the exercise of power beyond right, which nobody can have a right to.

暴政とは、誰にも認められない権利の範囲を越えて権力を使うことです。

出典:ジョン・ロック『統治二論』第二論第199節(日本語訳は筆者訳)

暴政は、支配者の肩書きではなく、権力を公共の利益ではなく私的利益へ使う行為によって定義されます。

問題を考えるときは、人物への好き嫌いだけでなく、「与えられた権限の範囲か」「誰の利益のためか」を分けて確認すると、判断が具体的になります。

24. 法を越えて他者を害すれば、そこから暴政が始まる

Wherever law ends, tyranny begins, if the law be transgressed to another’s harm.

法を越えて他者を害するところから、暴政が始まります。

出典:ジョン・ロック『統治二論』第二論第202節(日本語訳は筆者訳)

権威ある人でも、法が許さない力を使えば、その行為において正当な権威として振る舞ってはいません。法の境界は、権力を持たない人を守るためにあります。

身近な場面でも、役職や親しさを理由に相手の境界を越えないことです。許可なく決める前に、確認を一回挟むだけで関係を守れます。

ロックの自由論が後世にどう展開されたかは、ジョン・スチュアート・ミルの名言からもたどれます。

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寛容と信仰の自由を守るジョン・ロックの名言

25. 寛容は、真の教会を見分ける重要な印になる

I esteem that toleration to be the chief characteristical mark of the true Church.

私は、寛容こそ真の教会を特徴づける最も重要な印だと考えます。

出典:ジョン・ロック『寛容についての書簡』(日本語訳は筆者訳)

信仰を掲げながら、異なる信仰を持つ人へ暴力や財産侵害を行うなら、その宗教性は疑われます。ロックは教義の一致より、他者を強制しない態度を重く見ました。

意見の違う人へすぐ反論する前に、相手の主張を一文で正確に言い直してみてください。理解することは同意ではありませんが、寛容の具体的な第一歩になります。

26. 魂の救済は、行政権力へ委ねられていない

The care of souls is not committed to the civil magistrate, any more than to other men.

魂を救う役割は、他の人々と同じく、行政官にも委ねられていません。

出典:ジョン・ロック『寛容についての書簡』(日本語訳は筆者訳)

政治権力が扱えるのは、生命・自由・健康・財産などの市民的利益です。内面の信仰まで命令で作る権限はないとロックは論じます。

他者の考えを変えたいときも、できるのは根拠を示し、対話の機会を作ることまでです。相手の内面を支配しようとせず、自分の説明を整えることへ戻れます。

27. 信仰は、外からの力ではつくれない

True and saving religion consists in the inward persuasion of the mind.

真の救いとなる宗教は、心の内なる確信にあります。

出典:ジョン・ロック『寛容についての書簡』(日本語訳は筆者訳)

罰や没収で外形的な服従を得ても、信じる心は生まれません。内面の判断は、力で直接変更できないという理解が寛容の根拠になります。

納得していない相手を急かすより、考える時間と情報を渡してください。強制で得た「はい」と、理解から生まれた同意は別物です。

28. 人は、望まないのに豊かさや健康を強制されない

No man can be forced to be rich or healthful whether he will or no.

本人が望まないのに、誰かを強制して豊かにしたり健康にしたりすることはできません。

出典:ジョン・ロック『寛容についての書簡』(日本語訳は筆者訳)

善い結果を望んでいても、外から命令するだけでは本人の判断や行動を置き換えられません。救済を口実にした強制への鋭い比喩です。

助けたい人がいるときは、相手の選択肢を奪わない形を考えてください。「何が必要ですか」と尋ね、頼まれた範囲を支える方が長く続きます。

29. 教会と国家は、目的の異なる別の社会である

The Church itself is a thing absolutely separate and distinct from the commonwealth.

教会そのものは、国家とは完全に分離され、区別されたものです。

出典:ジョン・ロック『寛容についての書簡』(日本語訳は筆者訳)

教会は信仰と礼拝を目的とし、国家は市民的権利と平和を守ることを目的とします。役割を混ぜれば、宗教が政治的強制の道具になりやすくなります。

組織の問題でも、目的の異なる役割を一つに集めすぎると利益相反が生じます。決める人、実行する人、確認する人を分けるだけでも、判断は健全になります。

30. 宗教の違いを理由に、市民の権利を損なってはならない

No private person has any right in any manner to prejudice another person in his civil enjoyments because he is of another church or religion.

宗派や宗教が違うという理由で、誰にも他者の市民的権利を損なう権利はありません。

出典:ジョン・ロック『寛容についての書簡』(日本語訳は筆者訳)

信仰の違いは、生命、自由、財産を奪う理由になりません。ロックは、異なる人にも人間・市民としての権利をそのまま認めることを求めました。

寛容は、相手を好きになることではなく、違いがあっても同じ権利を守ることです。意見ではなく人格を攻撃していないか、一度だけ言葉を見直してみてください。

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ロックの自由論は、経験から知る人間の限界と、他者へ信念を強制できないという理解につながっています。複数の著作を比べると、知識と政治が別々の問題ではないことが見えてきます。

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まとめ|経験に学び、自由の境界を考える

ジョン・ロックの30の言葉には、知識を経験から組み立てること、言葉の曖昧さを疑うこと、人の生命・自由・財産を守ること、権力を目的によって制限すること、信仰を力で強制しないことが一貫して表れています。

すべてを知ってから動く必要はありません。自分の経験で確認できることを見極め、言葉の意味をそろえ、相手の権利を自分と同じように認める。その小さな手順が、判断を現実的で誠実なものにします。

今日持ち帰るなら、「次の行動に必要なことだけを確かめる」という一節からで十分です。知識を集めるだけで終わらせず、自分と他者の自由を守る一手へ静かにつなげてみてください。

出典・参考文献

参考:ジョン・ロック『人間知性論』第1巻〜第4巻、『統治二論』第二論、『寛容についての書簡』。Project Gutenberg公開本文、Online Library of Liberty公開本文、The University of Chicago Press「The Founders’ Constitution」所収本文を照合しました。日本語訳は筆者訳です。

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