エピクテトスの名言49選|不安・悩み・人間関係に効くストア派の言葉

エピクテトスの名言49選を紹介する記事のアイキャッチ画像。ストア派哲学の言葉で不安や悩み、人間関係を整える内容を表しています。


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人間関係に疲れたときのエピクテトスの名言

21. 勝てない土俵に上がらない

You can be invincible if you enter no contest in which victory is not in your power.

勝利が自分の力の内にない競争へ入らなければ、あなたは負けない人でいられる。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第19章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

他人の人気、才能、収入、見た目、評価と競い始めると、心は終わりのない比較に巻き込まれます。そこでは、勝ってもまた次の相手が現れます。

エピクテトスが勧めるのは、勝てる場所だけを選ぶずるさではありません。自分の誠実さ、努力、選択、態度という、自分に責任を持てる土俵へ戻ることです。

今日の小さな一歩:SNSや周囲と比べて苦しくなったら、「今日の自分が昨日より1ミリ進めること」を一つだけ決めてみてください。

22. 侮辱そのものではなく、侮辱だという判断が心を乱す

It is not the person who insults you that disturbs you, but your judgment that it is an insult.

あなたを乱すのは侮辱した人そのものではなく、それを侮辱だと判断するあなたの考えである。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第20章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

きつい言葉を向けられたとき、すぐに傷つくのは自然な反応です。けれど、その言葉をどの深さまで自分の中へ入れるかは、少しだけ選べます。

相手の言葉が正しいとは限りません。相手の機嫌、未熟さ、勘違い、焦りが混じっていることもあります。

一度時間を置くことは、逃げではありません。反応を遅らせることで、自分の心を相手の言葉から守れます。

23. 死を思うことは、今を粗末にしないためにある

Keep death and exile, and everything that seems dreadful, before your eyes each day.

死や追放、恐ろしく見えるものを、日々目の前に置いておきなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第21章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

重い言葉ですが、暗い言葉ではありません。死を思うことは、人生を怖がるためではなく、今を大切にするための訓練です。

時間が有限だと分かると、どうでもよい争いに使う時間が少し惜しくなります。見栄のための我慢、先送りし続けた言葉、あとでやろうと思っていた小さな夢。そうしたものが、急に輪郭を持ちます。

メメント・モリという言葉と同じように、終わりを思うことは、今日の行動を取り戻すためにあります。

24. 本気で生き始めると、笑われる時期がある

If you desire philosophy, prepare from the beginning to be laughed at.

哲学を望むなら、初めから笑われる覚悟をしておきなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第22章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

生き方を変えようとすると、周囲の反応が気になるものです。急に勉強を始める。発信を始める。生活を整える。無駄な付き合いを減らす。そうすると、ときに冷やかしや違和感の目が向けられます。

でも、それは自分の方向が間違っている証拠とは限りません。変化は、周りにも少しの戸惑いを生みます。

小さくラフに始めること。笑われない形を探しすぎるより、静かに続けること。その積み重ねが、やがて自分の生活を変えていきます。

25. 人に良く見せようとしすぎると、目的を失う

If you turn outward to please someone, know that you have lost your purpose.

誰かを喜ばせるために外側へ向かいすぎるなら、自分の目的を失ったと知りなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第23章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

人に喜ばれることは、悪いことではありません。むしろ、思いやりのある行動です。ただし、自分の軸を失うほど相手の反応を追いかけると、心は疲れていきます。

「どう思われるか」ばかり考えると、「本当は何を大切にしたいのか」が聞こえなくなります。人間関係で疲れたときは、少しだけ外側の音を小さくしてもいいのです。

自分勝手になるのではなく、自分の目的を忘れないこと。そこに、静かな誠実さがあります。

26. 自分の価値は、自分の力の内側で育てる

You should be somebody in the things that are within your power.

あなたは、自分の力の内にある事柄において、価値ある人であるべきだ。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第24章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

有名になること、評価されること、誰かに選ばれること。それらは人生に起こりうる喜びですが、自分の力だけでは決められません。

一方で、誠実に働くこと、約束を守ること、学び続けること、今日の小さな行動をすることは、自分の側にあります。

「誰かに認められたら価値がある」ではなく、「自分の選択の中で価値を育てる」。この視点は、自己嫌悪に沈みやすいときほど助けになります。

27. 得なかったものの代わりに、失わずに済んだものを見る

You did not pay the price, and you still kept what you did not give.

あなたは代価を払わなかった。そして、払わずに済んだものを今も持っている。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第25章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

誰かが選ばれ、自分は選ばれなかった。誰かが誘われ、自分は誘われなかった。そんなとき、心は「自分だけ損をした」と感じやすいものです。

けれど、エピクテトスは問い直します。その人が得たものには、何か代価があったのではないか。お世辞、迎合、時間、心の平静。自分はそれを払わなかったから、今も持っているものがあるのではないか、と。

得られなかったものばかりを見ると、人生は不足に見えます。けれど、失わずに済んだ誠実さや自由に目を向けると、静かな納得が戻ってきます。

考えすぎをやめたいときのエピクテトスの名言

28. 他人のことなら冷静に見られる視点を、自分にも向ける

When your own cup is broken, remember how calmly you judge another’s broken cup.

自分の杯が壊れたときは、他人の杯が壊れたときに自分がどれほど冷静に見るかを思い出しなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第26章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

他人の悩みには、「それはよくあることだよ」「大丈夫、次があるよ」と言えるのに、自分のことになると急に世界の終わりのように感じることがあります。

エピクテトスは、その差に気づかせます。出来事そのものより、「自分に起きた」という近さが、苦しみを大きくしている場合があるのです。

自分に厳しくなりすぎたときは、親しい友人に同じことが起きたら何と言うかを考えてみる。それは、やさしさであり、冷静さでもあります。

29. 自分の心を、通りすがりの人に預けない

Are you not ashamed to put your mind in the power of anyone who happens to insult you?

たまたまあなたを侮辱した人の力の下に、自分の心を置くことを恥ずかしいと思わないのか。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第28章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

乱暴なコメント、嫌味な一言、無神経な反応。そういうものに一日を奪われることがあります。相手はもう忘れているのに、自分だけが何度も思い出して苦しむこともあります。

この言葉は少し厳しいですが、救いもあります。心を奪われたと気づいた瞬間、取り戻すこともできるからです。

今日の小さな一歩:嫌な言葉を思い出したら、「これは相手に預けた心を回収する時間」と一度だけ言ってみてください。

30. 始める前に、代価まで見る

In every action, consider what comes first and what follows; then proceed.

どんな行動でも、先に来るものと後に続くものを考え、それから始めなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第29章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

やりたいことがあるとき、最初の高揚だけで始めると、途中の地味さに負けやすくなります。運動なら疲労、発信なら反応の少なさ、勉強なら分からない時間が必ずあります。

エピクテトスは、始めるなと言っているのではありません。始めるなら、代価も含めて引き受けなさいと言っています。

考えすぎて止まる人には、逆にこの視点が役立ちます。全部を完璧に見積もるのではなく、「最初の一週間に起こりそうな面倒」を一つだけ想定しておく。すると、挫折ではなく予定内の揺れとして扱えます。

31. 相手の行動より、自分の務めを見る

Do not look at what another does, but at what you must do.

相手が何をしているかではなく、自分が何をすべきかを見なさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第30章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

人間関係で悩むとき、私たちは相手の態度を何度も考えます。なぜあんな言い方をしたのか。どうして分かってくれないのか。相手が変われば楽になるのに、と。

けれど、相手の行動を頭の中で再生し続けても、自分の一日は進みません。エピクテトスは、視線を自分の務めへ戻します。

謝るべきなら謝る。距離を取るべきなら取る。伝えるべきなら短く伝える。自分の行動に戻るとき、悩みは少しだけ扱える大きさになります。

32. 善悪の置き場所を間違えない

Place good and evil only in the things that are within your power.

善と悪は、自分の力の内にあるものにだけ置きなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第31章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

ストア派では、外側の出来事そのものを絶対的な善悪とは見ません。大事なのは、それに対して自分がどんな判断と行動を選ぶかです。

失敗したことが悪なのではなく、そこから学ばないこと。批判されたことが悪なのではなく、怒りに飲まれて自分を壊すこと。評価されないことが悪なのではなく、誠実さを捨ててしまうこと。

善悪の置き場所を自分の選択に戻すと、人生の主導権も少し戻ってきます。

33. 結果がどうであれ、使い方は選べる

Whatever the result may be, it is in your power to use it well.

結果が何であれ、それをよく用いることはあなたの力の内にある。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第32章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

結果は選べないことがあります。応募しても通らない。投稿しても読まれない。努力してもすぐには報われない。現実には、そんなことが何度も起こります。

それでも、その結果をどう使うかは残っています。改善する、休む、方向を変える、もう一度小さく試す。結果に価値を決めさせるのではなく、結果を材料にするのです。

今日の小さな一歩:最近うまくいかなかったことを一つ選び、「次は何を1ミリ変えるか」だけ決めてみてください。

34. 一人のときも、人前でも、同じ自分でいる

Set a character for yourself, and keep it when alone and when among others.

自分の人格の形を定め、一人でいるときも人と会うときも、それを保ちなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第33章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

人前では丁寧でも、一人になると自分を粗末にする。外では頑張るのに、内側では自分にひどい言葉をかける。そういう分裂は、少しずつ心を疲れさせます。

エピクテトスは、まず自分のあり方を決めなさいと言います。派手な理想でなくて構いません。「誠実でいる」「急がない」「人を下げない」「自分との約束を一つ守る」。そのくらいで十分です。

自分の人格は、大きな決意よりも、誰も見ていない日の小さな選択で形づくられます。

行動する勇気をくれるエピクテトスの名言

35. 衝動には、少しだけ待つ時間を置く

When a pleasure impresses you, let it wait and give yourself a delay.

快楽の印象があなたをとらえたら、それを待たせ、自分に少しの猶予を与えなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第34章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

スマホを見続けたい、余計な一言を返したい、甘いものを食べすぎたい、先送りしたい。衝動は、たいてい急がせてきます。

エピクテトスの提案は、根性で完全に断てというものではありません。まず待たせる。少し遅らせる。その間に、選ぶ力を取り戻すのです。

行動科学でも、刺激と反応の間に短い間を置くことは役立つと考えられています。専門的に言えば「反応の自動化をゆるめる」ことです。まずは一呼吸だけでも十分です。

36. 正しいと思うことなら、不当な批判を恐れすぎない

If it is right, why fear those who criticize wrongly?

それが正しいことなら、誤って批判する人々をなぜ恐れるのか。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第35章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

行動する前に、「どう思われるだろう」と考えて止まることがあります。発信、挑戦、断ること、意見を言うこと。どれも、人の目が気になるものです。

もちろん、批判をまったく気にしない人になる必要はありません。ただ、誠実に考え、必要な配慮をしたうえで正しいと思うなら、不当な批判まで人生の主人にしなくていいのです。

前に進む勇気は、大きな自信からだけ生まれるわけではありません。「怖いけれど、これは自分の選択だ」と静かに進むところからも生まれます。

37. 背伸びしすぎると、本来できることまで失う

If you take on a role beyond your strength, you neglect the one you could have fulfilled.

自分の力を超えた役を引き受けると、果たせたはずの役までおろそかにしてしまう。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第37章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

大きく変わりたいときほど、理想を高く設定しすぎることがあります。毎日完璧にやる、すぐ成果を出す、全部を整える。けれど、重すぎる計画は再開を難しくします。

「より少なく、しかしより良く」という考え方がここで役立ちます。自分の器に合う小さな役を、まず丁寧に果たす。毎日1ページ読む。1分だけ片づける。短い文章を一つ書く。

小さく始めることは、妥協ではありません。続けられる大きさにすることです。

38. 足元を守るように、心の中心を守る

As you guard your foot from a nail, guard your ruling faculty from harm.

釘を踏まないよう足を守るのと同じように、自分の理性の中心を傷つけないよう守りなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第38章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

道を歩くとき、足元に危ないものがあれば避けます。けれど、心に入れる情報や言葉については、意外なほど無防備になることがあります。

怒りをあおる投稿、比べて落ち込む情報、何度も傷つく会話。そうしたものから距離を取るのは、弱さではなくセルフケアです。

心の中心を守るとは、感情をなくすことではありません。自分を乱しすぎるものに気づき、少しだけ環境を整えることです。

39. 必要を超えると、欲望には限りがなくなる

The measure of possessions is the body, as the measure of a shoe is the foot.

所有物の尺度は身体である。靴の尺度が足であるのと同じように。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第39章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

靴は足に合えば十分です。けれど、必要を超えて見栄のために求め始めると、装飾には限りがありません。エピクテトスは、所有にも同じことが起こると言います。

もっと欲しい、もっと良く見られたい、もっと持っていないと不安だ。そう感じるとき、本当に必要なのは物そのものではなく、安心感かもしれません。

物を持つことを否定する必要はありません。ただ、何のために欲しいのかを一度だけ確認する。そこに、暮らしを軽くするヒントがあります。

40. 身体のことを整えつつ、心を主役に戻す

Let your care be directed not to the body as the main thing, but to the mind.

身体に関わることを主にするのではなく、心へと配慮を向けなさい。

出典:エピクテトス『エンケイリディオン』第41章(英訳・日本語訳ともに筆者訳)

健康、食事、睡眠、見た目を整えることは大切です。けれど、それらだけに心が奪われると、かえって不安が増えることもあります。

エピクテトスが見ているのは、何を人生の中心に置くかです。身体を整えながらも、判断、選択、誠実さ、落ち着きといった心の働きを忘れないこと。

外側を整えることと、内側を育てること。どちらか一方ではなく、順番を間違えないことが、穏やかな人生につながります。

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