エドマンド・バークの名言30選|自由・社会・変化を考える政治哲学の言葉

エドマンド・バークの肖像と英国議会、古書、羽根ペンを描いた政治哲学の名言記事アイキャッチ画像

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政治と協力の原則を示すバークの名言

21. 政治家が最初に学ぶべきは、人々の気質である

The temper of the people amongst whom he presides ought therefore to be the first study of a statesman.

政治家が治める人々の気質こそ、最初に研究すべきものである。

出典:エドマンド・バーク『現在の不満の原因についての考察』(日本語訳は筆者訳)

制度をつくる前に、そこにいる人々の価値観や不安を理解する必要があります。人間を無視した正論は、実行段階で反発を生みます。

誰かへ提案する前に、相手が何を心配しているかを一つ想像してみてください。説得より理解を先に置く小さな手順です。

22. 国家は、法律だけでは動かない

Nations are not primarily ruled by laws: less by violence.

国家は、第一に法律によって治められるのではない。まして暴力によってではない。

出典:エドマンド・バーク『現在の不満の原因についての考察』(日本語訳は筆者訳)

文章化された規則だけで、社会のすべてを動かすことはできません。習慣、信頼、評判、指導者の姿勢など、見えにくい力が秩序を支えます。

ルールを増やす前に、守りやすい環境になっているかを確認してみてください。摩擦を減らす方が、注意書きを一枚増やすより効果的な場合があります。

23. 良い制度は、治療だけでなく予防も行う

Every good political institution must have a preventive operation as well as a remedial.

あらゆる良い政治制度は、問題を治す働きだけでなく、予防する働きも持たなければならない。

出典:エドマンド・バーク『現在の不満の原因についての考察』(日本語訳は筆者訳)

問題が起きてから罰するだけでは、同じ損失が繰り返されます。良い仕組みは、失敗が起きにくい設計まで含みます。

先送りを責めるより、着手しやすいように資料を開いておく。行動科学でいう環境設計、つまり望む行動をしやすくする工夫が予防になります。

24. 悪い人が結びつくなら、善い人も協力しなければならない

When bad men combine, the good must associate; else they will fall, one by one, an unpitied sacrifice in a contemptible struggle.

悪い人々が結びつくとき、善い人々も協力しなければならない。そうしなければ、一人ずつ倒れ、取るに足りない争いの中で同情もされない犠牲となる。

出典:エドマンド・バーク『現在の不満の原因についての考察』(日本語訳は筆者訳)

善意があっても、孤立したままでは組織的な力に対抗できません。共通の原則を持つ人が連携することも、正義を守る行動の一部です。

一人で抱えている問題があれば、相談相手を一人だけ決めてください。助けを求めることは、弱さではなく協力の開始です。

25. 政党とは、共通原則で国益を進める集まりである

Party is a body of men united for promoting by their joint endeavours the national interest upon some particular principle in which they are all agreed.

政党とは、全員が合意する一定の原則にもとづき、共同の努力で国の利益を進めるために結ばれた人々の集まりである。

出典:エドマンド・バーク『現在の不満の原因についての考察』(日本語訳は筆者訳)

バークは、単なる利害集団ではなく、共有する原則に基づく協力として政党を定義しました。集団の価値は、人数より何のために結ばれているかにあります。

チームで迷いが生じたときは、共通の目的を一文に戻してみてください。目的が一致すれば、方法の違いを話し合いやすくなります。

恐れと心の働きを見つめるバークの名言

26. 恐れは、考え行動する力を奪う

No passion so effectually robs the mind of all its powers of acting and reasoning as fear.

恐れほど、心から行動し考える力を徹底して奪う感情はない。

出典:エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』(日本語訳は筆者訳)

強い恐怖の中では、選択肢が見えにくくなり、最悪の結論だけが現実に思えることがあります。まず判断力が狭まっている可能性に気づくことが大切です。

答えを出す前に、足の裏の感覚を確かめ、深呼吸を一回してください。不安を消すのではなく、考える力を少し取り戻すための一分です。

27. 驚愕すると、心は一つの対象に占領される

Astonishment is that state of the soul, in which all its motions are suspended, with some degree of horror. In this case the mind is so entirely filled with its object, that it cannot entertain any other.

驚愕とは、ある程度の恐怖を伴い、心のあらゆる動きが止まる状態である。そのとき心は対象に完全に満たされ、ほかの何も受け入れられない。

出典:エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』(日本語訳は筆者訳)

ショックを受けた直後に、物事を多角的に考えられないのは不自然ではありません。注意が一つの対象へ固定される反応として理解できます。

大きな連絡を受けた直後は、重要な決断を急がず、確認事項を三つだけ書いてください。思考の範囲を少しずつ広げる手順です。

28. 見えないものは、恐れを大きくしやすい

To make anything very terrible, obscurity seems in general to be necessary.

何かを非常に恐ろしいものにするには、一般に不明瞭さが必要であるように思われる。

出典:エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』(日本語訳は筆者訳)

分からないことが多いほど、心は空白を悪い想像で埋めやすくなります。曖昧さは、現実の危険以上に恐れを膨らませることがあります。

不安を書き出し、「分かっていること」と「未確認のこと」に分けてください。未確認を一つ調べるだけでも、暗闇に輪郭が生まれます。

29. 好奇心は鋭いが、満たされるのも早い

Curiosity is the most superficial of all the affections; it changes its object perpetually; it has an appetite which is very sharp, but very easily satisfied.

好奇心は、あらゆる感情の中で最も表面的である。対象を絶えず変え、欲求は鋭いが、非常に簡単に満たされる。

出典:エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』(日本語訳は筆者訳)

新しい情報は強く注意を引きますが、その興奮は長く続きません。次々と検索や通知へ移ると、深く考える時間が失われます。

調べ物を始める前に、知りたい問いを一つだけ書いてください。答えが得られたらタブを閉じる。それだけで好奇心を目的へ戻せます。

30. 繰り返した考えは、原因が消えても続く

Whenever we repeat any idea frequently, the mind, by a sort of mechanism, repeats it long after the first cause has ceased to operate.

ある考えを何度も繰り返すと、最初の原因が作用しなくなった後も、心は一種の機械的な働きによってそれを繰り返し続ける。

出典:エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』(日本語訳は筆者訳)

出来事が終わっても同じ考えが戻るのは、今も危険が続いている証拠とは限りません。反芻思考、つまり同じ考えを自動的に繰り返す習慣になっている場合があります。

考えを止めようと力むより、「また同じ考えが来た」と短く名前を付け、目の前の一分作業へ戻ってください。完璧に消すより、何度でも復帰することが善進です。

バークの思想をほかの思想家と読み比べる

自由と権力の関係を考えるなら、トマス・ホッブズの名言と読み比べると、秩序を支える力についての違いが見えてきます。

個人の自由と社会の原則については、ジョン・スチュアート・ミルの名言が参考になります。習慣や人間の認識を考えるならヒュームの名言、感情と自由を理性から見つめるならスピノザの名言もあわせて読めます。

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まとめ|守ることと変えることを同時に考える

バークの30の言葉に通うのは、抽象的な理想だけで現実を動かさない慎重さです。伝統を残すにも改革を進めるにも、人々の気質、制度の働き、手段が生む結果を見なければなりません。

考えすぎて動けないときは、すべてを変えるか何も変えないかの二択から離れてみてください。残すものを一つ、改善するものを一つ決めるだけでも、現実は少し整います。

今日の最小の一歩は、続けたい習慣と直したい習慣を一つずつ書くことです。未来を守る変化は、目の前の小さな判断から静かに始まります。

出典・参考文献

参考:Edmund Burke, Reflections on the Revolution in France, Speech on Conciliation with America, Thoughts on the Cause of the Present Discontents, A Philosophical Enquiry into the Origin of Our Ideas of the Sublime and Beautiful(Project Gutenberg公開版)。

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